失業手当(失業保険)とは?

最終更新日: | 👁58

基本手当(失業手当)に関する書類

退職後、次の仕事が見つかるまでの生活を支えてくれる「失業手当(失業保険)」。転職活動に集中するためにも、制度を正しく理解し、漏れなく手続きを行うことが重要です。
当記事では、失業手当(失業保険)を受け取るための条件や、会社都合退職と自己都合退職の違い、そしてハローワークでの具体的な手続きの流れについて、法改正を交えて詳しく解説します。

失業手当(失業保険)とは?

失業手当(失業保険)は、雇用保険の被保険者が離職し、働く意思と能力があるにもかかわらず職業に就くことができない状態にある場合に支給される給付金です。求職者が安定した生活を送り、再就職活動をすることを目的としています。正式名称は「基本手当」ですが、「失業手当」「失業保険」と呼ばれることが多いです。

※以下、失業手当(失業保険)と記載統一

失業手当(失業保険)を受け取るための条件

失業手当(失業保険)を受給するためには、以下の2つの条件を満たしている必要があります。

ハローワークで求職の申込を行っていること

以下の条件をすべて満たしている必要があります。

  • 「働きたい」という強い意志がある
  • 「いつでも働ける」健康状態や環境が整っている
  • 自分やハローワークが努力しても仕事が見つからない

※次のケースでは手当を受けることができません。

  • 病気やケガですぐには仕事ができない
  • 妊娠、出産、育児ですぐには仕事ができない
  • 退職後ゆっくり休もうと思っている
  • 結婚などで家事に専念し、すぐに働く予定がない

雇用保険の被保険者期間を満たしていること

退職する前の2年間に、雇用保険の被保険者期間(1)が通算して12カ月以上あることが必要です。
ただし、倒産・解雇などの「特定受給資格者」や、自分の意志に反する正当な理由がある理由で辞めた「特定理由離職者」については、退職前の1年間に6か月以上の期間があれば対象となります


(1)被保険者期間とは
雇用保険の被保険者であった期間中、退職日から1か月ごとに区切り、給料支払いの対象となった日が11日以上(または80時間以上)ある月を1か月と計算します。

※船員の方が、引き続き「船員」としての仕事を希望される場合は以下に記載する手続きをハローワークではなく、「地方運輸局」で行っていただくようになりますのでご留意ください。

いつからいつまでもらえる?

退職理由が「会社都合」か「自己都合」かによって失業手当(失業保険)の受給開始日や期間が大きく異なります。まずは退職理由の違いを見ていきましょう。

自己都合退職自己都合退職とは、個人的な理由で退職する場合を指します。例えば、「転職のため」「結婚のため」「キャリアアップのため」などがこれに該当します。
特定理由離職者特定理由離職者とは、自己都合退職ではあるものの、やむを得ない事情により離職したとハローワークが認めた場合を指します。具体的には、以下のようなケースが該当します 。
・体力の不足、心身の障害、疾病、負傷などにより離職した者
・妊娠、出産、育児により離職し、受給期間延長措置を受けた者
・家族の介護や看護など、家庭の事情が急変したことにより離職した者
・配偶者の転勤や事業所の移転により、通勤が困難になった者 等
特定受給資格者
(会社都合退職)
特定受給資格者とは、会社の倒産や解雇、リストラなど、会社側の都合によって離職せざるを得なかった場合を指します。具体的には、以下のようなケースが該当します 。
・倒産、解雇(懲戒解雇を除く)により離職した者
・賃金の遅延、大幅な減額があった者
・長時間労働(残業が月45時間を超える状況が続くなど)が常態化していた者
・ハラスメント(いじめ、嫌がらせ)を受けたことにより離職した者 等

給付制限期間の違い

自己都合退職(特定理由離職者以外)の場合、7日間の待機間の後に「給付制限期間」が設けられ、この期間中は失業手当(失業保険)を受け取ることができません。
しかし、2025年4月1日以降の離職から、この給付制限期間が「原則2カ月」から「原則1か月」に短縮されました。

給付制限期間の違い
自己都合(特定理由離職者以外)7日間の待機期間+1か月の給付制限期間を経て支給対象に
特定理由離職者+特定受給資格者7日間の待機期間終了後すぐに支給対象となる

ただし、離職日からさかのぼって5年間のうちに2回以上正当な理由なく自己都合離職し受給資格決定を受けた場合または懲戒解雇された場合の給付制限期間は3ヵ月となります。

給付日数の違い

失業手当(失業保険)を受け取れる日数(所定給付日数)も異なります。会社都合退職(特定受給資格者)及び一部の特定理由離職者の場合は、年齢や雇用保険の加入期間に応じて90日~最大330日となりますが、自己都合退職の場合は90日~最大150日となります。

【自己都合退職の場合

被保険者期間1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
全年齢90日90日90日120日150日

【特定受給資格者及び一部の特定理由離職者の場合】

被保険者期間1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35歳未満90日120日180日210日240日
35歳以上45歳未満90日150日180日240日270日
45歳以上60歳未満90日180日240日270日330日
60歳以上65歳未満90日150日180日210日240日

いくらもらえる?

失業手当支給総額 = 基本手当日額 × 所定給付日数
失業手当失業手当(失業保険)の支給額は、原則として離職前の賃金に基づいて計算される「基本手当日額」と、受給できる日数である「所定給付日数」によって決まります。ここでは、基本手当日額の計算方法と、その上限・下限額について解説します。所定給付日数については前項をご確認ください。

基本手当日額の算出方法

基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50%〜80%)

※60~64歳の場合、給付率は45~80%

  • まず、離職前の賃金から「賃金日額」を算出します。賃金日額は、離職日直前6カ月間に支払われた賃金(賞与等は除く)の合計を180で割った金額です 。
  • 算出した賃金日額に、年齢や賃金水準に応じた「給付率」を掛けて基本手当日額を算出します。給付率は、賃金水準が低いほど高く設定されており、50%〜80%(60~64歳の場合、給付率は45~80%)の範囲で変動します。

ただし、賃金日額・基本手当日額には上限額と下限額が設定されており、毎月8月1日に改定されます。2025年8月1日以降の上限額・下限額は以下の通りです。

離職時の年齢賃金日額の上限額基本手当日額の上限額
29歳以下14,510円7,225円
30歳以上45歳以下16,110円8,055円
45歳以上60歳未満17,740円8,870円
60歳以上65歳未満16,940円7,623円
離職時の年齢賃金日額の下限額基本手当日額の下限額
全年齢3,014円2,411円

(2026/04/02時点)

失業手当(失業保険)の手続きの流れ

退職後、スムーズに失業手当(失業保険)を受け取るための手続きの流れを解説します。

ハローワークの建物
STEP
離職票の受け取り

会社には発行の義務がないため、必要な場合は自分から申請する必要があります
退職後、通常10日〜2週間程度で、退職した職場から「雇用保険被保険者離職票(離職票-1、離職票-2)」が届きます。

STEP
ハローワークで求職の申し込みと離職票の提出

お住まいの地域を管轄するハローワークへ行き、「求職の申し込み」を行います。同時に、離職票などの必要書類を提出し、受給資格の決定を受けます。
<手続きに必要な持ち物>
1.雇用保険被保険者離職票(離職票-1、離職票-2)
2.個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票のいずれか1種類)
3.身分確認書類
4.写真2枚(縦3.0㎝×横2.4㎝)
※本手続及びこれに続き今後行う支給申請ごとにマイナンバーカードを提示する場合には顔写真を省略することが可能です。
5.本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

STEP
雇用保険受給説明会への参加

ハローワークから指定された日時に開催される説明会に参加し、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取ります。

STEP
失業の認定(4週間に1回)

原則として4週間に1度、指定された「失業認定日」にハローワークへ行き、失業認定申告書を提出します。この際、原則として2回以上の求職活動実績が必要となります。

STEP
失業手当(失業保険)の受給

失業の認定を受けると、通常数日〜1週間程度で、指定した口座に失業手当(失業保険)が振り込まれます。

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再就職手当とは

失業手当(失業保険)の受給中に早期に再就職が決まった場合、「再就職手当」が支給されることがあります。これは、失業手当の支給残日数が多いほど支給額が増えるため、求職者の早期再就職を促進する目的があります。

受給条件

再就職手当を受給するためには、以下の全ての条件を満たす必要があります 。

  • 就職日の前日までの失業認定を受けた後の失業手当(失業保険)の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること。
  • 1年を超えて勤務することが確実であると認められること。
  • 待期満了日以降の就職であること。
  • 離職理由による給付制限を受けた場合は、待期満了後の1カ月間については、ハローワーク等または許可・届出のある職業紹介事業者等の紹介により就職したものであること。
    ※この期間を過ぎれば、知人の紹介や求人サイトからの応募等により就職した場合も対象となります。
  • 離職前の事業主や、その関連事業主への再就職ではないこと。
  • 就職日前3年以内に再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないこと。
  • 受給資格決定(求職申し込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものではないこと。
  • 原則として、雇用保険の被保険者資格要件を満たす条件での雇用であること。

支給額

再就職手当の支給額は、以下の計算式で算出されます。
再就職手当 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率
(1円未満の端数は切り捨て)

給付率は、失業手当の支給残日数によって異なります。

支給日数を所定給付日数の3分の2以上残して再就職した場合

基本手当(2)の支給残日数の70%の額

支給日数を所定給付日数の3分の1以上残して再就職した場合

基本手当(2)の支給残日数の60%の額

所定給付日数支給残日数
(支給率60%の場合)
支給残日数
(支給率70%の場合)
90日30日以上60日以上
120日40日以上80日以上
150日50日以上100日以上
180日60日以上120日以上
210日70日以上140日以上
240日80日以上160日以上
270日90日以上180日以上
300日100日以上200日以上
330日110日以上220日以上

(2)再就職手当に係る基本手当日額には以下の上限額が設定されており、毎年8月1日に改定されます。2025年8月1日以降の上限額は以下の通りです。

離職時の年齢再就職手当に係る基本手当日額
離職時の年齢が60歳未満の方6,570円
離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方5,310円

(2026/04/02時点)

再就職手当の手続き

再就職手当の申請は、以下の流れで行います。

ハローワークの建物
STEP
再就職が決まったことをハローワークに報告

就職日の前日までに、ハローワークに再就職が決まったことを連絡します。

STEP
「再就職手当支給申請書」の提出

再就職先に必要事項を記入してもらい、就職日の翌日から1カ月以内にハローワークに提出します。この際、「雇用保険受給資格者証」や「採用証明書」なども必要になります。

STEP
ハローワークでの審査

提出された書類に基づき、ハローワークで受給条件を満たしているか審査が行われます。

STEP
支給決定

審査に通ると、指定した金融機関の口座に再就職手当が振り込まれます。

再就職手当の手続きは原則、「1年を超えて引き続き雇用されることが確実と認められる職業に就いた日の翌日から起算して1カ月以内」です。ご留意ください。

就職促進定着手当とは

再就職手当を受給した方が、再就職先に6カ月以上雇用され、再就職先での6カ月間の賃金が、離職前の賃金よりも低い場合に支給される手当です。

支給対象者

以下の要件をすべて満たす方が対象となります。

  • 再就職手当の支給を受けていること。
  • 再就職の日から、同じ事業主に6カ月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること。
  • 再就職後6カ月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ること。

支給対象者

支給額は、以下の計算式で算出されます。
支給額 = (離職前の賃金日額(3)−再就職後6カ月間の賃金 の1日分(4)の額) × 再就職後6カ月間の賃金の支給基礎となった日数
ただし、支給額には上限があり、基本手当日額(5) × 支給残日数 × 20%が上限となります。


(3)賃金日額には上限額と下限額があり、毎年8月1日に改定されます。2025年8月1日以降の上限額は以下の通りです。

離職時の年齢上限額下限額
30歳未満14,510円3,014円
30歳以上45歳未満16,110円3,014円
45歳以上60歳未17,740円3,014円
60歳以上65歳未満16,940円3,014円

(2026/04/02時点)

(4)再就職後6カ月間の賃金の1日分の算出方法

月給の場合再就職後6カ月間の賃金の合計額÷180
日給・時給の場合次のうちどちらか高い方の金額
・再就職後6カ月間の賃金の合計額÷180
・(再就職後6カ月間の賃金の合計額÷賃金支払いの基礎となった日数)×70%

再就職後6か月の賃金は、通勤手当や皆勤手当てなどのほか、事務手続きのために期間ごとにまとめて支払う通勤手当なども含む。ただし、賞与など3カ月を超える期間ごとに支払われる賃金は含みません。

(5)就職促進定着手当に係る基本手当日額には以下の上限額が設定されており、毎年8月1日に改定されます。2025年8月1日以降の上限額は以下の通りです。

離職時の年齢再就職手当に係る基本手当日額
離職時の年齢が60歳未満の方6,570円
離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方5,310円

(2026/04/02時点)

就職促進定着手当の手続き

再就職手当の支給申請を行ったハローワークで手続きを行ってください。(郵送での申請も可能)
手続きには以下の書類が必要です。

  • 就業促進定着手当支給申請書
  • 雇用保険受給資格者証
  • 再就職先での6カ月間※の出勤簿の写し
  • 再就職先での6カ月間※の賃金台帳の写し

※就職日が賃金締め切り日の翌日ではない場合、就職後最初の賃金締め切り日後6カ月分

就職促進定着手当の手続きは再就職した日から6か月を経過した日の翌日から2カ月以内に行う必要がありますので、対象となる方は早めにハローワークへ相談し、手続きを進めることをおすすめします。

まとめ

失業手当は、転職活動中の経済的な不安を軽減してくれる重要な制度です。特に2025年4月からは自己都合退職の給付制限期間が1カ月に短縮され、より早く手当を受け取れるようになりました。
退職理由は自己判断せず、ハローワークの窓口で相談することが大切です。制度を有効活用しながら、納得のいく転職活動を進めていきましょう。

FAQ

自己都合で退職をした場合、いつから手当てがもらますか?

これまでは自己都合退職の場合、給付が始まるまで2ヶ月間の「給付制限期間」がありましたが、法改正により「原則1ヶ月」に短縮されました。ただし、直近5年以内に2回以上、正当な理由なく自己都合退職を繰り返している場合や、懲戒解雇の場合は、制限期間が3ヶ月となりますのでご注意ください。

どのような状態であれば「失業」とみなされ、手当を受け取れますか?

働きたいという強い意志」と「いつでも働ける健康状態や環境」があり、努力しても仕事が見つからない状態である必要があります。 そのため、病気やケガ、妊娠・出産・育児ですぐに仕事ができない場合や、退職後にしばらく休養する予定の方、家事に専念する予定の方は、失業手当を受け取ることができません。

再就職が決まったら、必ず「再就職手当」がもらえますか?

受給にはいくつかの条件を満たす必要があります。 主な条件は、失業手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていること、再就職先で1年を超えて勤務することが確実であること、離職前の事業主に関連する会社への再就職ではないことなどです。また、自己都合退職で給付制限がある場合、待期満了後1ヶ月間の就職はハローワーク等の紹介によるものである必要があります。

再就職が決まった後の給料が、前職より下がってしまった場合の救済措置はありますか?

条件を満たせば「就業促進定着手当」が支給される場合があります。 再就職手当の支給を受けた方が、同じ事業主に6ヶ月以上雇用され、その間の賃金が離職前の賃金よりも低い場合に、その差額分(上限あり)を補う手当を受け取ることができます。再就職した日から6ヶ月経過した日の翌日から2ヶ月以内に、ハローワークで手続きを行う必要があります。

参考資料・出典
下記資料をもとに、当サイトが加工して作成

■厚生労働省:離職されたみなさまへ

■厚生労働省:再就職手当のご案内

■厚生労働省:「就業促進定着手当」が受けられます

監修:株式会社KG情報

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