なぜその仕事は「高時給」なのか?ー5つの理由を徹底解説

同じ働くなら「高時給」の方がいいに決まっています!

でも、高時給の仕事についてくるイメージといえば、いわゆる”3K”「汚い」「きつい」「危険」。そこにさらに「ストレスが大きい」が加わることも。

高時給というと、何か裏があるんじゃないか?と、どうしても心配になります。

そこで、

  • 高時給の仕事にはどんなものがあるの?
  • どうして高時給なの?
  • 仕事のメリットは?

の3つに焦点をあてて、とことん調べてみました!

そもそも何円からが「高時給」?

「高時給」とはいったい何円のことでしょうか?

都市部と地方では、物価や最低賃金に大きな開きがあります。

例えば、現在(2024年10月改定)の最低時給は、東京都では1163円、岡山県では982円と181円の差があります。

“時給1200円”といわれた場合、東京ではそれほど魅力的ではないかもしれませんが、岡山では最低時給より200円以上多いために「高い」と感じるでしょう。

他にも、バイトをしたことがない学生と、実際に働いている社員では金銭感覚が異なりますし、独身の場合と子どもを養育している場合では、1ヶ月の生活費やもろもろの支出が大きく変わってくるため、「高時給」の感覚は変わりますよね。

つまり、人それぞれの「高時給」があるということになります。  

では、データで正確に算出してみましょう。平均時給より高ければ、一般的に「高時給」といえます。

アルパ岡山で掲載のあった求人案件をもとにすると、平均時給は903円※1でした。

そのため、この額より多い時給1000円を超えた場合に「高時給」と銘打たれて掲載されているケースが多く見られました。

次に、全国的な平均時給額を見てみます。厚生労働省が発表している令和6年賃金構造基本統計調査というデータを引用してみましょう。

短時間労働者のうち、アルバイトという雇用形態が多いであろう24歳までの1時間当たりの賃金を見てみると、平均額は1182円となっています。※1

ですので、統計上では、時給1200円を超えると比較的高い給与をもらえる職種であるといえるようです。  

◎高時給とは、地域や人それぞれで感覚が異なるが、全国的には”時給1200円以上”が「高時給」とされている。

「高時給」5つの理由

では、なぜ高時給となるのか、その理由を見てみましょう。高時給な求人案件を見ていると、下記のようなパターンに分類されることが分かります。

  1. 時間…早朝・深夜・土日の仕事
  2. 体力…体力が必要な仕事
  3. 専門性…専門性が高く、免許や経験が必要な仕事
  4. コミュ力…人と接することがメインとなる仕事
  5. レアな仕事…1日で終了する/めったに募集がない/一般的には忌避される

当たり前ですが、たくさんの人がやりたい仕事・やれる仕事は、給料が安くなります。

やってみたい人は少ないが、その仕事が提供するサービスの需要が高い場合において、給料は高く設定されます。

1.時間…早朝・深夜・土日の仕事

【職種】
・新聞や牛乳の配達
・パン屋・ベーカリー
・大型小売店の店舗開店準備
・コンビニなどの長時間(24時間)営業店舗
・閉店後清掃

【理由】
例えば、早朝・深夜は一般的な睡眠サイクルから外れている時間で働くことになりますし、土日は一般的に学校や企業で休日に指定されていることが多いため、家族と休みが合わないなどの理由で働く選択肢からはずす人が多くなります。
簡単にいえば、「起きられない/眠たい/休みたい」という理由で避けられがちなお仕事です。

【メリット】
早朝シフトのお仕事は業種にもよりますが、昼や夕方にくらべて高時給になることが多いですし、深夜帯の22:00~翌5:00は時給25%以上の割増が労働基準法で決められているので、手当がつくことになります。※2
また、比較的お店が空いている時間帯での勤務や人と会うことがほとんどないお仕事になるため、接客が苦手な方にはおススメです。
早朝・閉店後清掃などは、一人でもくもくと仕事に打ち込むことが得意な方に向いています。定年後のシニア層にも人気で、募集数が多いお仕事です。
朝型や夜型のライフスタイルができる方、土日の勤務でも特に問題がない方など、時間に対してストレスが低い方にとっては魅力的です。

2.体力…体力が必要な仕事

【職種】
・建築作業員
・引っ越しスタッフ
・配達スタッフ
・警備員

【理由】
これらの職種は、立ちっぱなしだったり、重いものを運んだり、体を動かすことがメインとなるため、体力に自信がない方や女性には難しい部分が多くなります。
また、屋外で働くことがほとんどなので、天気や気温の変動がダイレクトに体に響きます。雨が降っても風が吹いても働かなければならないため、体調管理が重要になってきます。

【メリット】
建築・工事・土木関係では、チーム一丸となって一つの大きな建物などを作り上げるため、完成したときの達成感は非常に大きいです。
また、予定の仕事が終わり次第帰れるケースがあるのもうれしい点です。一般的には時間単位での勤務・給与計算になるため、勤務時間内は拘束されることが当たり前の職種が多いなか、業務が早く片付けられれば、そのまま退勤できるというのは他ではなかなか見られません。
短期や日払いOKな場合が多いので、すぐにお金が受け取れることもメリットで、学生やWワークをしたい方にとってはぴったりです。数時間で仕事が終わっても、日払い分の給料が受け取れてお得に感じます。

3.専門性…専門性が高く、免許や技能が必要な仕事

【職種】
・学習塾の講師
・運転手(タクシー運転者、営業用バス運転者、営業用大型貨物自動車運転者、営業用普通・小型貨物運転者など)

【理由】
必要な免許や技能を持っていなければ仕事をすることができないため、該当者が少ないことが一番の理由です。
家庭教師や塾講師のアルバイトの場合は、教員免許などは特に必要ありませんが、大学生に募集をかけることが多く、大学在籍中の方が対象となります。
さらに、当たり前ですが、各教科を児童・生徒に教えることになるので、ある程度その教科に精通していなければならず、責任感が伴います。
各種運転手は、免許が必要です。バスの場合は「中型または大型第二種自動車運転免許」、タクシーの場合は「普通自動車第二種運転免許」が必要で、トラックの場合はさらに細かく車両総重量や車種に応じて「けん引免許」や「危険物取扱者免許」を取得していなければなりません。
技術が必要なため、経験を重視して採用しているところが多いです。入社後に講習を受けられることもありますが、地理試験の勉強が必要だったり、実技の訓練もあったりします。

【メリット】
家庭教師や塾講師は、拘束時間が短いことと、学習経験が活かせることが魅力です。
さらに、就職活動でもバイト経験として好印象を与えられるようです。学業やサークルなどのプライベートも両立ができる上に、今まで勉強してきたことを改めて振り返ることができたり、教育方面への就職を考えている方、特に大学生にとっては、指導経験も積めてお金も稼ぐことができるとあって、一石二鳥です。
特に夏休みや冬休みの長期休暇中にニーズが高まることもあり、学生にとっては学校が休みの間に短期で稼げるため、非常に人気のバイトです。
運転手の場合は、人やものを乗せて運ぶ仕事なので、責任が重いことから、バイトよりは正社員募集が多い職種ではあります。
しかし、保育園・幼稚園の送迎バスドライバーや日払いのトラックドライバーなどはアルバイト募集があります。これらは、短時間勤務でOKなのでWワークにももってこいです。

4.コミュ力…人と接することがメインとなる仕事

【職種】
・テレホンアポインター
・パチンコ店のホールスタッフ
・フロアレディなどナイトワーク系

【理由】
基本的に、人と接する・話をすることがメイン業務となるため、高いコミュニケーション能力が必要になります。
いろいろなタイプの人と接するので、時には理不尽なこともあるでしょう。人見知りの方や、対人関係において臨機応変な対応力を要求されることが苦手な方は、苦痛を感じてしまうかもしれません。

【メリット】
サービス需要が高く、業界全体の売り上げがいいため、他業種より抜きん出て高時給になることが多いお仕事です。
これらの仕事のメリットは、マニュアルがしっかりと用意されていることと、経験を積んだスタッフが手厚くサポートしてくれるところ。未経験者でも始めることができるので、大学生や主婦など、初めてのアルバイト・パートでも比較的なじみやすいでしょう。
慣れてくると、いろいろな人とのコミュニケーションを楽しめる仕事でもあり、出会いや縁も生まれ、給与・待遇を別にしても「この仕事が好きだから」と長期で続けている人も多いです。
さらに、職場環境が良いこともあげられます。テレホンアポインターは、冷暖房完備の室内で座ったままできる仕事ですし、パチンコ店では禁煙・玉運びなしの職場も増えてきました。ナイト系は高級感のある綺麗な店内で働け、ドレス・スーツも貸してもらえて、送迎付きの場合が多いです。

5.レアなお仕事…1日で終了する/めったに募集がない/一般的に忌避される

レアなお仕事には様々なタイプがあります。ここではほんの一例をご紹介します。
・イベントスタッフ(ライブやコンサート、TV番組のイベント運営&設営・搬出入の仕事)
・WEBサイトのパトロール(WEBサイトにアップされているコメント・画像・動画を確認したり、 ネット上の取引で不正がないかを確認したりする仕事)
・霊柩車のドライバー(病院や自宅から葬儀場まで、または葬儀場から火葬場までご遺体を運転する仕事)
・治験バイト(新薬の効果や副作用を測定するために、被験者となって実際に薬を試す仕事)

【理由】
・イベントスタッフ
決められた日に必ず大量の人員を確保する必要があるためです。1日で仕事が終了することがほとんどで、炎天下や人ごみの中といった過酷な環境で働くことになります。
重たい機具・装置を運ぶ場合や、とっさの判断を要求されることもあり、体力や瞬発力が必要となります。

・WEBサイトのパトロール
PCに関する知識が多少なりとも必要です。モニタと常に向き合わなければならず、退屈に感じることもあるでしょう。
削除・警告業務では、イタチごっこになることも多く、ストレスに感じる場合もあるかもしれません。さらに、監視という点で集中力も必要となります。

・霊柩車のドライバー
「ご遺体を運ぶ」という一般的には忌避される仕事であるためです。基本的にご遺族が悲しんでいる状況が毎日の職場になり、感情的にマイナスになりやすいかもしれません。

・治験バイト
治験については厳格な基準があるため、人体に危険をおよぼすことはほぼないとはいえ、「なにかあったら」と抵抗がある人も多いでしょう。
1日で終了するものがほとんどですが、長期入院する治験もあります。入院の場合は、時間管理が厳しく、行動が制約されます。

【メリット】
レアなお仕事は、日給制や短期の場合が多いです。長く働くことはできないけれど、お小遣い稼ぎとして面白そうなバイトをやってみたい人にはいいでしょう。Wワークにも向いています。
貴重な経験として人に自慢できるのも一つかもしれません。
大人気で一瞬で募集が終了してしまうこともありますので、このタイプの仕事がしたい場合は、日頃からネットなどでチェックしておくことをおススメします。

高時給の理由を理解して応募しよう

高時給にはそれなりの理由があります。
しかし、その理由にデメリットを感じなかったり、抵抗がなかったりする人にとっては、楽しく働けてしかもいいお給料がもらえるため、天職に感じることもあるでしょう。
このように「担い手の母数が少なく避けられがちだが、マッチする人にとってはまたとない仕事」というふれ幅の広さが、高時給バイトの特徴です。
気をつけなければいけないのは、ただお給料がいいからという理由で応募してしまうと、思っていた仕事と違い、辛くなって辞めてしまう事態にもなりかねません。
高時給バイトを選ぶ際には、デメリットもあることを理解した上で、自分の適性を見極めてから応募するようにしましょう。  

[註釈]
※1 2025年6月度データ参照
※2 深夜の時間帯は高校生、18歳以下は働くことができないため注意!